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復活

 晴れた日、恒例登山の安達太良山へ、いざ行かん。

 沼尻スキー場からガタゴト道を登り、白糸の滝駐車場に車を停め出発。

 毎年、この季節は、このルートから登る。

 かつての硫黄の採掘跡が崩れ落ち、温泉地まで届けるためのお湯がゴンゴン流れてる。

 廃墟感の中にも生命力を感じる場所。

 ここが大好きである。

 通行禁止区間があるので、ちょっと遠回りになるが、それでも行きたい。

 硫化水素のため木々は成長できず、見晴らしがいい。

 これから向かう山域が、全部見渡せるのもポイント高し。

 安達太良スキー場から登る景色とは、全く違う。

 同じ山なのか、と疑うほど違う。

 それがいい。

 今回は、体力に自信がなかったので、安達太良山頂上は目指さない。

 夏のコロナ感染は、思った以上に後を引いた。

 どれくらい持久力が回復しているかを確かめる山行である。

 目指すは、鉄山である。

 紅葉には、少し足りない色付きだが、陽を浴びて刻々と変化してゆく。

 風も穏やか、気温もそこそこ、程よい汗が心地いい。

 何度も休憩をとりつつ、その度に、見渡す景色にウキウキし。

 登れている自分に安堵した。

 無事鉄山登頂。

 ここまで、約2時間半。

 よし、大丈夫そうだ。

 向こうに見えるは、磐梯山よ。

 最高やん。

 尾根は、ちょっと風が冷たいが、くぼみに入ると寒さは感じない。

 おにぎりを頬張り、あったかい味噌汁を啜る。

 もう、至福でございます。

 帰りも、来た道を戻る。

 以前は、このまま尾根を回り、安達太良の頂上を極め、沼平の噴火口をぐるっと一周して別ルートを下山するコースだった。

 約7時間のコースであった。

 今回は、ここで戻るピストンである。

 休憩含めて、5時間半の山行だった。  

 これで、だいぶ自信が戻ったぜ。