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トンネル

 緑のトンネルの先に、店はありますよ。

 

 体温を上回るほどの酷暑。

 エアコンのない店は、扇風機とうちわで涼をとるしかない。

 風のない午後三時。

 流石に空気が生ぬるくなる。

 う〜ん。

 これで営業って、ちょっと厳しいかねぇ。

 ひと雨降ってくれれば、一気に涼しくなるが・・・

 晴れマークが恨めしいわ。

 

 さて、早起きして墓掃除に行ってきた。

 東向きの墓所なので、早朝でも日が燦々と照りつける。

 せめて気温が上がらないうちにと急いだ。

 毎年、ケイトウの花が芽を出している。

 今回も、全体をまんべんなくケイトウが芽を出し育っていた。

 墓石側の数本を残して、後は全部刈り取る。

 そのこぼれタネで、来年また芽を出す。

 今年は、コスモスが一本育っていた。

 そうだ、秋の彼岸に庭のコスモスをお供えしたんだ。

 それが種子になってこぼれたんだ。

 なんか嬉しい。

 残しておこう。

 6時になると、寺の鐘がゴーンとなった。

 寺の住職ではない。

 自動鐘撞装置の仕業である。

 墓掃除もそろそろ終わりの頃、駐車場に子供の声が響いた。

 あ。

 ラジオ体操だ。

 今でも、あるんだ。

 懐かしいテーマソングが流れる。

 墓掃除は終わったが、帰るに帰れない。

 車の周りでラジオ体操真っ最中。

 しばらく眺めていた。

 夏休みなんだなぁ。

 体操が終わると、子供たちは一気にいなくなった。

 夏の陽が、すでに暑い。

 さぁ、帰ろう。

 

 お盆にまた来るからね。

 今回は、ゴミ袋一つ分の草のお土産だった。