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姥ヶ原

 スカイラインの浄土平駐車場から、1時間足らずで天上のお花畑を散策できる。

 登山復帰の最初の山歩きは、初夏の花「チングルマ」を見に行った。

 谷間には、まだ雪が残っている。

 そう、雪が残っているくらいじゃないと、この花を見る事はできないのだ。

 タイミングが合わないと、見頃は、簡単に過ぎ去る。

 浄土平ビジターセンターのブログをチェクしながら、天気予報と相談。

 晴れマークではないけれど、とりあえず、浄土平まで行ってみよう。

 磐梯熱海から母成グリーンラインへ入ると、ぼんやり白いガスが覆っている。

 山は雨かもしれない。

 峠を越えると、少し明るくなってきた。

 そうだ、今日は、会津の方が天気はいいんだ。

 もしかすると、晴れるかな?

 期待虚しく、横向からスカイライン方面へ入ると、霧がだんだん濃くなってきた。

 ライトをつけるかどうか、微妙なほどのガスっぷり。

 ま、いいや。お天気悪かったら、駐車場でおにぎりだけ食べてこよう。

 と、高度を上げてゆく。

 真っ白なガスの上空から、日の光が差し込む。

 チラチラと青空が望む。

 なんと、浄土平は、スッキリ晴れているではないか。

 いやっほー

 テンション、上がるぜ。

 8ヶ月ぶりの山行。

 って言っても、姥ヶ原だから、ハイキングか。

 足取り軽く、先に出発している団体さんをスイスイ追い越した。

 ジリジリと夏の太陽が降り注いでいる。

 うっひゃ〜、暑いぜ。

 木段をぐんぐん登る。

 石をほいほい超えてゆく。

 足元に咲く花々を愛でながら、じんわりにじむ汗が心地よい。

 時折吹く風が爽やかだ。

 さっきから、どうにもへたっぴなウグイスが鳴いている。

 山は、春と夏が一気にやって来るのだ。

 スキップするように姥ヶ原まで、一気に登った。

 花盛りだった。

 かつて、何度も訪れているが、こんなにキレイに咲いているの初めてだ。

 下界の天気が悪いせいか、歩いている人は少ない。

 もう、サイコー。

 両手を広げ空を仰ぎ、全身に山の空気を送り込んだ。

 命あることに感謝する。

 ま、大袈裟だけどね。

 このまま、一切経山でも、東吾妻でも、ぐんぐん登れそうだった。

 が、今回はここまで。

 いつもの特大おにぎりを頬張り、きゅうりの浅漬けをかじり、インスタント味噌汁を飲み干した。

 今日は、ゆで卵もあるぜ。

 ものすごく美味しい。

 これだから、山登りはやめられない。

 鼻歌まじりに鎌沼まで歩き、酸ヶ平の分岐より一切経山をチラ見して、残雪がゴンゴン溶けて小流れになっている登山道を下りてきた。

 いくつか雪渓が残っているが、ゆっくり歩けば問題ない。

 雪渓の冷気が火照った体にひんやり渡ってきた。

 また、ガスが出てきた。

 次第に濃くなり、駐車場に着く頃には、10メートル先が見えないほど真っ白。

 これもまた、美しい風景である。

 僅かな切れ間に頂を見せた吾妻小富士。

 上空は、晴れてるのよね。

 つまり、雲上に居るってことなのね。

 大満足の復帰登山だった。

 レストハウスでは、毎回恒例のソフトクリーム。

 山を下りて食べるこれが、最大の楽しみ。

 写真撮るのも忘れて、夢中で食べましたとさ。

 

 さて、次は、磐梯山か安達太良山に行くぞぉ。