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初診

 最初に受診したのは、10月20日三春病院だった。

 その5ヶ月前にも、同じ病院を受診していた。その時は、微熱が続いたので、新型コロナの感染を疑い、念の為PCR検査を受けた。結果は陰性だったが、長いこと健康診断を受けていなかったので、血液検査とCTを勧められた。血液検査は問題なく、CTは、気になるところはあったが、それほど問題視されなかった。

 後から考えれば、あの時すでに病巣は存在しており、危険信号を発していたのだ。

 ただ、過去の病歴から、お腹の調子が悪くなる事は否めず、すぐに回復するなら問題ないだろうと、様子を見ることになった。

 出来るなら、大腸内視鏡を受けたくなかった。

 しかし、私の大腸は、確実に変調をきたしていた。

 地味に、じわーっと鈍い痛みが起こる。継続する事もあるし、一時的な事もある。

 ただ、食欲は落ちていなかったし、体重も減ってはいない。

 だが、母親のお世話をする時、それは、買い物であったり、事務的な事であったり、様々なのだが、そんな晩は、決まって激痛に襲われた。

 その痛みは、半端なく襲ってくる。約2時間くらい続くのだが、あまりの痛さに吐いてしまうほどだった。しかし、腸内に澱んだものが全て排泄されると、ケロリと治ってしまうのだ。痛みや吐き気は、キレイに消える。空になったお腹で、空腹感さえ覚える。

 それに甘んじていた。

 病気なら、そう簡単に痛みは治らないだろうし、それだけ苦しんでお腹も空かないだろう。と。

 実際、その時担当した医師も、ストレスでそういう症状はある。と言っていた。

 ストレスって、便利な表現かもしれない。

 ところが、その激痛が立て続けに起こったのだ。

 流石にこれはヤバいと感じ、翌朝、三春病院へ予約の電話をした。

 症状を話すと、すぐに来てくださいと言われた。

 この時点で、ある程度の覚悟を決めていた。

 すぐに血液検査とCT撮影が行われた。この時、5ヶ月前のデータが役に立ったのだ。

 今回は、前回とは別の医師である。

 2枚のCT画像を比べた医師は、直腸付近の映像を指さした。その形状が、全く同じであることを問題視した。

 つまり、腸内は常に動いているため、同じ形を保つ事はない。同じに見えるのは、腫瘍があり腸閉塞を起こしかけているからである。と告げたのだ。

 ああ、そうなのか。やっぱり、病気だったんだぁ。納得。

 それが率直な感想だった。

 素直に、大腸内視鏡検査の予約を入れた。

 そして、この日から、私の闘病生活が始まったのである。

 入院に至るまでには、もう少し試練があるが、それは次回。