連休明けの晴れ間に、喜多方の三ノ倉高原へ菜の花畑を見に行った。
実は、ひと月前にも行ったのだが、その時は、まだ数センチのチビな菜葉だった。
下界の菜の花は、すでに終盤だったのに、スキー場のある高原では、やっと芽吹いたばかり。
本当に咲くんかい!?と訝しむくらいだったのに。
まぁ、見事に、満開です。
風が少し冷たかったが、菜の花の独特の香りと蜜蜂のブンブン羽音。青空と雲。
いいじゃないか、いいじゃないか。
黄色い絨毯を見下ろしながら、蕨のぽつぽつ出ている土手に腰掛け、おにぎりを頬張ってきましたとさ。
アップで見ると、なかなかキュートだわ。
碧い月の荒れ畑も、春は菜の花、秋はコスモスが理想です。
さて、タイトルの「ゆらめく」。
菜の花が揺らめいていたわけではございません。
ここ数日、心がぐわんぐわん揺らいでおりました。
ことの始まりは、UNIQLOの入り口にある体温センサーでした。
以前は、ユニクロさえ私には高価な洋服店でしたが、特価品の存在を知り、そのワゴンから掘り出し物を見つけるのが、楽しみとなり、たまーにチェックに行くのです。
トップスは、500円、ボトムは1,200円が自分で決めたラインでして、気に入った品があっても、正札では絶対に買わないルールを決めております。これは、一種のゲームなのです。
前置きが長くなりました。
先週の金曜の昼過ぎ、母に送る買い物ついでに、久々に立ち寄ったのです。これは、母のお世話をする自分へのご褒美でもあります。
ま、安いもんですけどね。
いつもの様に、アルコールスプレーで消毒をして、体温センサーに顔を近づけました。
私の平熱は、36.2〜36.4度です。
ところが、センサーは37度と表示したのです。
マスクに帽子、暑い日でしたし、午前中ジャンパーを着たまま農作業をして暑い思いをしたので、熱がこもったのだと思いました。
しかし、何とも、居心地が悪い。そそくさと店を出て、家に帰りました。
まさか、まさかね。
そう思いつつも、帰って落ち着いて熱を計りました。
私が使っているのは、昔ながらの水銀計です。デジタルより正確ですが、計測時間が5分強です。
・・・・。
やっぱり37度あります。
現実を見ると、何だか、喉がいがらっぽいような、体がダルいような気になります。
いやいや、微熱だし。
そう思いつつも、最悪な状況を想像します。
感染防止対策はちゃんとしてますが、あくまでも、対策ですから、絶対ではありません。
頭の中は、もう、揺らめくどころか、ぐわんぐわんと振り子の様です。
落ち着け、落ち着け。
感染の可能性と照らしながら、体調の変化があったかどうかを遡りました。
あると言えばある。ないと言えばない。
うーん。ともかく、一晩様子を見よう。
翌朝、36.5度に下がっていました。
やっぱり一時的だったのか。
いや待てよ。発熱後、平熱に戻るって症状もあるぞ。
しかし、微熱のほかは、何の症状もないのです。
お腹は普通に空くし、味も香りも変わりなく美味しいし。
強いて言えば、お腹が少し痛いかなぁ・・・
ただ、これに関しては、母へのストレスが掛かると決まってお腹に来るので、割と日常的な痛みなのです。
母の買い物をするだけでも、お腹は痛くなるのです。
これは、嫌なことをする前にお腹が痛くなるお子様状態でございます。
こんな事で腹痛を起こす自分が情けないのですが、ま、仕方ない。
夕方、検温してみると。
またまた、37度。
嘘だろ。
でも、それ以上体温が上がることもないのです。
ちなみに、ユニクロから帰ってからは、人と接触はしていません。
日曜日、やっぱり体温は37度をキープです。
キープすんなよ!!
何となく、体もだるい様な気もします。
夕方になっても、同じでした。
そして、今朝。
やっぱり、37度です。
体温計、壊れてるのか!?
水銀計ですから、壊れません。誤差もデジタルほどありません。
覚悟を決めました。
病院へ電話をしました。
状況を話すと、すぐに来てくださいと。
病院に到着すると、すぐに隔離され、問診票に記入後、ドクターの判断で即、PCR検査がされました。
はい、防護服を着た物々しい看護師さんが、鼻に綿棒を突っ込みましたよ〜。
隔離室は、外へ空気が流れない様になっています。
それから、ベットと椅子が一つある、小さな個室で待機です。
結果が判明するまで約1時間。
その間、なす術もなし。
隔離室の扉が開き近づく足音、待っている個室のドアが開きました。
あれ、防護服を着た看護師さんじゃない。普通の事務員さんだ。
ってことは、感染してなかったってこと!?
んん???
結論から言います。
PCR検査は、陰性でした。
新型コロナ感染症じゃ、なかったのです。
で、ここから始めて普通の診察になるのです。
何しろ、発熱してますから、何かしら病がある訳です。
腹痛があるので、その線で検査をしました。
一通りの血液検査と肺から腸まで輪切り画像、CTです。
しかし、発熱する可能性の病巣は見つかりませんでした。
ストレスが掛かると、一時的にそうなる場合もあるね。
ドクターの一言に。
あ、心当たりあります。
じゃ、もう少し、様子見ましょうか。
はい、そうします。
投薬もなく、無事帰還。
発熱を知ってから4日間、ユニクロにいかなければ自分の発熱に気づくこともなかったと思います。
日常的に感染対策はしていますが、この頃は、少し気が緩んでいた部分も否めません。
発熱に気づいて、その数日前に会った人を思い、もし、その人たちに移していたらと考えると。
心は、ぐわんぐわんと揺れました。
変異型ウイルスは、これまでの感染対策では防御できないほどの感染力だそうです。
ま、これくらい大丈夫だろう。と、油断したこと。
それは、大切な人を苦しめるかもしれない行為だと思い知りました。
持病を持っている人、高齢な親を抱えている人、人と接する仕事をする人。
そんな友人たちに感染させたら、取り返しがつかなくなります。
今回、自分が発熱したことで、一番感じたのは。
大切な友を巻き添いにしてしまうかも知れない恐怖です。
どんなに気を付けていても絶対はありません。
休業を決めたあの日に書いた休業案内。
自分で書いておきながら、時間の長さに危機感が薄れてしまい、初心を見失っていました。
迂闊な行為が、大切な人を失うことにつながるかも知れない。
肝に銘じよう。
よって、当面、店を再開することはありません。
また、臨時営業も自粛します。