冬の安心
薪ストーブが当たり前の暖房になってから、かれこれ20年くらいになる。毎年毎年、冬が迫って来てから慌てふためくのだが、切り置きの丸太や建築廃材で何とかやりくりして来た。
丸太は、伐採後直ぐには燃やせない。水分を大量に含んだ木は、燃やそうにも燃えないし、煙がもうもうと湧き上がり、煙突も簡単に煤だらけになる。効率が悪いだけではなく、ストーブも傷む。その点、建築廃材は直ぐに燃やせるが、針葉樹がほとんどなのでタールが出る。これが厄介で、煙突にこびり付くと、なかなか取れないし、そこに引火して煙突火災の原因にもなる。だが、一気に高温になるので、冷えた部屋を暖めるには効率が良い。
薪ストーブは、人を三回暖めると言う。
一度目は、薪作りで体を動かし、ポカポカになる。
二度目は、実際火を焚いて、体を温める。
三度目は、揺らぐ炎を見ることで、心が暖まる。
薪ストーブを生活の一部にしようと考えた時、この三つの暖かさを実感したいと思った。
ま、実際薪ストーブを使っていると、心が暖まっているのかは、不明であるが、薪作りの労働で体が暖まるのは間違いがない。よって、どうしても冬の声が聞こえてからの作業になってしまうのだ。
今年は、毎日が定休日である。いつでも、薪作りできる環境にある。そうなると、ついつい後回しになってしまうのが、世の常である。おいおい、それじゃ、いつもと一緒じゃんかよー。
自分で突っ込んでみても、結果は同じ。
寒波の声を聞いての、慌ただしい作業となった。
先に述べたように、伐採したばかりの木は燃やせない。今年燃やせるのは、去年伐採した分になる。
実は、去年の台風で駐車場の木が何本か倒れてしまった。崖の途中だったし、エンジンシェーンソーを頼まないと無理だと思い、一年そのままにしていた。その木が、いい具合に乾燥しているはずだった。
突如、スイッチが入った私は、駐車場の倒木を薪にするべく、園芸用のノコギリ片手に崖に挑んだのだった。
直径15センチ位の丸太を、ガシガシノコギリでぶった切り、おいしょおいしょと店まで運び、片っ端から丸鋸で切った。
大きな丸太は、電気チェーンソーでぶつ切り。
どちらも、刃を交換したので、ものすごくよく切れる。
去年まで、切れない、切れないと力尽くでぶった切った自分がアホらしいくらい。物凄く調子がいい切れ味である。
あまりの楽しさに、あれよあれよと素晴らしい薪がむくむくと誕生した。
やはり、道具は大事である。実感。
建築廃材も大量にゲット。
これで、寒波も怖くないー。暖かな冬を過ごせそうである。
とはいえ、ビンボー症な私は、一人だと最小限しか焚かないのだけどね。
これだけあれば・・・・。
いやいや、フルで焚いてたら、ひと月で燃やし尽くしてしまいます。
針葉樹と落葉樹を交互に使って、効率良く、省エネモードで焚いてゆきます。
と思ってたら、まじ寒波。