一切経山より、吾妻小富士を望む
梅雨の晴れ間を狙っての山行。
浄土平から一切経山へ向かう。下界では30℃越えの予報だったので、半袖Tシャツで出かけたが、浄土平についたら、寒い。強風。重い雲。長袖シャツを引っ張り出し、風除けパーカーも着込んでの出発。
谷間は風もなく、快適だったが、上空の雲はギュンギュン飛んでいる。
下山してくる人たちが、風が強いとぼやいていた。
鎌沼まで来ると風が出てきた。酸ヶ平小屋の先からは次第に風が強まる。稜線に出ると話し声が聞こえないくらいの強風。帽子が飛ばされそうになる。
それでも、頂上は人が多い。強風の中、お弁当を食べている人もいる。そりゃ、頂上で食べたいよね。
魔女の瞳は、鮮やかではなかったが、ちゃっちゃと見て、さっさと引き返した。
姥ヶ原でお弁当にしようと思ったが、風が強い。東吾妻山の登り口に入り、風を避けてやっとおにぎりタイム。いつになく、美味しい。
山はいい。
汗をかきかき、足が重くなって、息も乱れて、紫外線もたっぷり浴びるけど。日常を遮り、小鳥の声を聞き、小さな花を見つけては、思わず微笑んでしまう。山の森は、清々しい匂いを放つ。
そして、自分の小ささを思い知る。
去年、南アルプスデビューをして、山小屋の洗礼も受けた。東北とは異なる山系は、もちろん面白かったが、人の多さに辟易した。登山口までは、自家用車乗り入れが出来ないので専用のバスか乗合タクシーになる。それが、満員なのだ。平日でも、シーズン中は満員なのだ。ボロバスに揺られて1時間は、結構キツイ。バス時間に縛られるのもストレスになる。
やっぱり東北の山がいい。
遠出を自粛している今は、しみじみとそう思う。
店のアプローチでは、今、ホタルブクロが咲いている。次から次に咲く薄紫のベルは、ミツバチが出たり入ったりと忙しそうだ。
この花も父が好きだった一つだ。父の庭には、あちこちでホタルブクロが咲いていた。道端に芽吹くとその周りの草を丁寧に抜き取り、小道を照らす外灯のように、この花が点々と咲いていた。
父を見送った後に、この花を掘り起こし移植した。今では、すっかりここに馴染んでいる。
休業して、3ヶ月が過ぎようとしている。暇を持て余すこともなく、早く仕事を再開させたい焦りもない。
7月からの再開を検討はしたが、やはりどうしても避けられない現実があるので、見送ることにした。
正直、リスクを抱えてまで再開させる意味は見いだせない。
再開を待っている方々、ごめんなさい。
気持ちよく再開したいので、どうかご理解ください。
自分の体の20倍以上の高さからダイブしようとしているカエル君
見習うべきか、見守るべきか、見送るべきか