3月最終日は、まさかの雪でした。
おそらく最後になるだろう雪かきをしました。
その数時間後。
春の陽に照らされた雪は、見る見るうちに大地に吸い込まれてしまいました。
そして、何食わぬ顔でフキノトウが鮮やかな黄緑色の蕾を開いておりましたとさ。
16年前の四月、この地に居を移し、新たな碧い月がスタートしたのでした。
それまでのたび重なる立ち退きにもめげず、縁あって知り合ったこの地に落ち着いたのです。
あの頃は、どんなにくじけても、へこたれず、ずんずん突き進んでいました。
どこからそんなエネルギーが湧いてくるのか、自分でも見当もつかず。
ただただ、前だけを見ようと、がむしゃらだったのです。
人は、少しの問題を抱えていた方が、エネルギッシュになるのかも知れません。
少しの恐れと、大いなる希望。
そのバランスをばねとしていたのでしょうね。
開店記念日がいつかも忘れましたが、何しろ、何度も移転してますから。
特に何もしませんが、四月になると。
ほんの少しだけ、若かりし自分を褒めてあげたくなります。