凍てついた風が吹き抜ける。
何もかにも、凍らせる。
陽が差して、屋根の雪が落ちてくる。
ぽたり、ぽたりと落ちてくる。
ほら、凍る。
雫が青空を映しながら、凍みてゆく。
ここに店を移して15年。
最初の冬が寒かった。
給湯器が凍り、排水管が凍り、自分も凍りそうだった。
その後は、凍結対策と解凍方法を心得たので、大きな問題は起きなかった。
今回の寒波は、ちと違う!?
定休日を留守にしたので、火の気のない日が丸一日。
それも、最も寒い日だった。
とうとう、給水が凍った。
井戸水をタンクに貯めているのだが、どうもタンク内が凍結したらしい。
タンクの蓋が開かない。
大家さんに連絡するが、男手が出払っているので、しばらく待つしかない。
その間、排水管をチェック。
凍っている。
汲んであった水を沸かして、凍結部分を溶かす。
店は開店できない。
飲み水は確保(秩父の天然水)してあるが、トイレが流せない。
貯水タンクの蓋は、どうにもこうにも開かない。
指先が凍てついてきた。
やっと男手が捕まった時、タンクは勝手に動き出した。
陽の光で温まり、溶けた模様。
なので、蓋は開けずに営業開始。
ところが、排水が溶けきっていなかった。
抜けない排水は、台所に逆流。
つまり、水浸し。
年末、大掃除しなかった罰か!!
と、タオル総動員で拭き掃除。
まぁ、いい。
翌日、またしても水が出ない。
いや、突然、止まったのだ。
またしても、男手は捕まらない。
やれることをやる。
が、焼け石に水。
いや、氷塊にマッチの炎。
そうこうしているうちに、男手登場。
ビクともしなかったタンクの蓋は、いとも簡単に、するりと開いた。
そこには。
空になったタンクに浮だけが凍ったまま、浮いていた。
いや、冗談じゃなくて。
表層部分だけが凍りついておりました。
それから、氷を掻き出し、水を貯め、やっと一息ついた時は。
もう、夕方でした。
そして、さらに翌日。
トイレの水の出が悪い。
これじゃ、開店できない。
これは凍結じゃない。
詰まっている。
元栓を閉めて水道管の掃除。
でも、配管に残っているのよね、水。
ジョボジョボ
またしても、水浸し。
はいはい、トイレ掃除もキュッキュとしましょうね。
連日、水難の相。
そして、月曜から金曜まで、お客様・・・・ゼロでした。
注文ケーキがあったので、実入りゼロではないですけど。
恐るべし、大寒波。
ちなみに、貯水タンクの蓋は、私でも開けられるように、軽く閉めておきましたとさ。
そして、風よけにベニヤの鎧と古着のセーターを着せましたが。
効果・・・アルカナ。
あはは。
まだまだ氷点下の日々。
皆様も凍結には、ご注意くださいませ。